学びへの誘い シリーズ

 

 むかし、英国の哲学者フランシス・ベーコンは“知は力なり”と喝破し、
当時新しく勃興しつつある科学の知識の重要性を指摘しました。
現在は、ITの驚異的な発展により単なる知識の重要性は相対的に落ちてきました。
いまは、知識よりも考えることが大切で、“思考は力なり”とでもいうべきかと思います。

 

  改めて言うまでもなく、いまは変化の激しい時代です。
その変化をいち早く気づき、それに素早く対応する知的な自分でありたいものです。
変化の初めには、兆しが出ます。そのちょっとした兆しに対して、
自分の頭で、なぜと新たに問い直せば、新しい気づきにたどり着けます。


そのときに、そのなぜを追い詰めるのに基礎力が要ります。
次にあげるいくつかの事柄は、基礎力への学びの必要性に気づく、
ちょっとしたきっかけ・糸口となるかもしれない参考例です。



             知は力なり




  学びへの誘い内容一覧

 10人の意見の一致      
       
       
       
       




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10人の意見の一致


 ある案
Aの是非を決めたい。あなたは10人に賛否を訊きました。10人全員が賛成しました。

あなたは“これはいい”と自信を深めます。自信を持つ理由を述べてください。

“全員一致だぜ”では理由ではありません。それは情緒です。

 

 理由は、次の通りです。

回答者は皆その事柄の是非が分からないと仮定します。10人はでたらめに答える訳です。

すると賛否の色々な組み合わせ模様があり、その総数は約
1000(正確には 2101024)あります。

全部賛成の模様はたった
1個なので、でたらめに答えるとすれば、これが起こることは1000回に1回ぐらいの珍しいことです。

すなわち、
10人がでたらめに答えるという仮定の下では全員賛成という組み合わせは非常に起こりにくい。

そこで、”10人全員が一致”という観測を基に、初めに建てた“回答者はでたらめに答える”という仮定をやめて
(棄却)

回答者10人は事柄の是非が分かるうえでの賛成の答えであると判断するのです。

確率・統計を学べば、あなたはこのように正しく理由付けられます

 

 さて、人はなぜか一貫したものに信頼を置くようです。

あなたは仲の良い3人にあることの是非を相談し、全員の賛成を得ました。

同じことを別の
20人に尋ね、13人から賛成を得ました。どちらの情報により安心感を覚えますか。

組合せで考えると、3人がすべて賛成であることが起きる割合は1/8です。20人のうち13人以上の賛同を得る割合は、実はほぼ同じなのです。

3人の意見の一致の方に安心感を抱くのは、われわれに刷り込まれた判断の癖なのです。

 










 

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